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第37回 ♪ It had to be You! (2007年初夏号)

私の一番好きなバラの美しい季節。色と香りに魅了されるラベンダーまでも、もう半月だ。その前に虹色の紫陽花も楽しみだ。 久しぶりにショートエッセイを書こうと、前回の文を見た。 まさに、その決心を貫いてる自分がいて、うれしく思った。

東京にライブに通ってるうちに知り合ったプロモーターさんに見初められ、地元・大阪で、7月26日(木)にニューオリンズのオールスターバンドと共演できることになった。ジャズは色々歌ってきたけど、特別に取り上げて来なかったジャンルだ。 サウダージ(哀愁)の要素の強いブラジリアンミュージックに対して、底抜けに明るく楽しいニューオリンズ系の古き良きジャズ。 対極にあるような音楽だけど、現在どちらも楽しく私の心を揺さぶってくれている。

楽譜の無いブラジリアンソングを、耳コピーで譜面に起こしたりしたお陰で、歌いたいと思ったジャズの曲までもが、楽譜が見つからなければ、 自分で作れるようになった。昔は楽譜のある中からやりたい曲を選んだものだ。 わかりにくいコールポーターの曲なども、わかりやすく自分なりに書き直してみた。 最近弾き語りすることが多いので、昔と違ってピアニストを呼ぶことも少なくなったのだが、 ある関西のバーは、ピアニストと組んでボーカルに専念して出演している。 歌っていて、感動するのだ。上手いと言われるピアニストのすごさを、改めて。 自分が考えた末に書いた楽譜だから余計に、初見ですごいプレイを聞かせてくれるピアニストの 素晴らしさを実感できる。

どんなことでもそうだろうけど、 やればやるほど奥が深く、もっと追求したくなってくる。 そして、その道で努力を重ねて来た人の素晴らしさが、心に沁みる。 きっと知らない人のほうが、かんたんに文句も言えてしまうんだと思う。 音楽。。と一言で言っても、ジャンルは無限だ。 音楽だけで生きていける人口も少ないのに、そんなミュージシャンが一生のうち、触れられる音楽はどれだけあるんだろう? しかもその中で、深く追求していくジャンルというのは、やはり自分と縁のある音楽なんだろう。 昔のように、その曲を雰囲気出して、上手く歌えることを目指すのは卒業した気がする。 自分の声で、自分の言葉で、自分の納得するメロディーやアレンジで「中谷泰子」の世界にしてから、 世に出して、みなさんのお耳に届けたいと思う今日この頃です。

2007年・初夏号は古き良きスタンダードを取り上げました。 まさに今やってる音楽に対して、私の気持ちを歌ったような名曲です。

♪It had to be you!

アナタしかダメなのよ。アナタじゃなきゃね。
さまよい歩いた末、ようやく見つけたの。
私を素直にさせてくれて、切なく思える人を。
アナタを思うと、悲しみさえもうれしく思えてきて。


これまで会った人は、つまらない人ばかりだったかも。
小難しい人や、偉そうな感じの人ばかりでもなかったけど。
誰も、こんなスリルはくれなかったわ。
みんなアナタに出会ったせいね。

アナタしかダメなの。アナタじゃなきゃね。

音楽に当てはめても歌える。シンプルなスタンダードナンバーの可能性はすごいです。

2007年6月初旬


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